バブルのvincentのネタバレレビュー・内容・結末

モチーフとなる人魚姫の結末には少なくとも三つの可能性が存在する。
子供の頃、正編の結末に納得できず、王子が姫を受け入れて末長く幸せに暮らしましたとさ、などと言う埒も無い空想もしてみた。
物語としてはどう弄っても、正編の終わり方がスマートで抒情的余韻も美しい。
アンデルセンは手堅く掌編を仕上げて人魚姫の物語は、時代を超えて世界の名作となった。
ディズニーの処理は子供の空想レベルとこの際切り分けておく。
その文脈から言えば、人魚姫に於けるハッピーエンドの解としては本作は充分ありかと思う。
泡沫はほうまつではなくうたかたと読みたい。
泡沫に意志が宿り、儚く消える事を元気良く拒んだとしたら、人魚姫が幸せになる結末もこんな形を取りうるだろう。