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スクール・アローンの親友のレビュー・感想・評価

スクール・アローン(2018年製作の映画)
4.5
ホーム・アローンのケイ・フー。
ジョン・ウィックのプラスティックハートをも溶かす。

10分で書けそうな脚本。ウィットもなければ意外性もない。
カメラが秒単位で切り替わる朝食シーンは、見るに堪えない。
脚本のセンスがなければ、子役はただの中身オジサンの子供と化する。
コメディに於いては、他愛のない会話にも気配りが必要なんだと気づく。

だけどこの映画の核の部分に触れる。

「私には関係ないことだが、お嬢さんは大丈夫だと思うよ」
「刑務所が奪うのは、盗品より価値があるものだ」

上記のセリフには人生が詰まってる。
そこから推察されるのは、脚本を書くのが不慣れな人物。
明確に伝えたいことがある人物。

直近に見た『キャンディ・ケイン・レーン』の下位互換のようではある。
だけど「不慣れ」と「明確」のギャップのおかげでより一層セリフが際立つ。
不器用なオジサンのメッセージ。

好きな人、物を見つければ人生は光り輝く。
それを失ってしまっても、また探せばいい。
「人生」を「明確」にすれば迷いはなくなる。

下記のセリフは、"悪者(わるもの)"が吐き捨てる、親に構ってもらえない"子供"に対する悪意ある言葉。

「忙しい時はね、他に"大事"なことがあるのよ」

悪者 "の" セリフと取るか。悪者 "に" このセリフと取るか。
捉え方一つで大きく意味が変わってくる。

全ての人に寄り添う、不器用なサンタクロースのクリスマスプレゼント。

マジョリティ(多数派)には退屈な、マイノリティ(少数派)には優しい映画。

「彼が正しい判断をしたらな」

マジョリティに灯ればメリークリスマス。マイノリティに灯らなければメリーバッドクリスマス。

ちなみに、あらすじに書いてある「ロック少女」要素は皆無。
なにせ煙突に挟まる不器用なオジサンですから。
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