ビーチボーイズはルーカスの「アメリカングラフィティ」のエンドロールに流れた「all summer long」のインパクトが自分の中では強烈で、それがいつのことかは覚えていないけれど、その後にBOXセットなど買い漁り「丘サーファー」を実践した笑
そんな「サーフィンなんて全くやらない」のにサーフミュージックからロックandポップスのひとつの到達点までを極めたブライアンウィルソンの伝記映画。
ここ数年、存命中のアーチストの映画が連発されて正直食傷気味でもあったのだけれど、昨年末配信が始まり速攻で食いついた。そして、ちょっと泣いた。
エピソードとして衝撃の事実が明かされるというような類のものではなく、現在のブライアンを愛でるのが正しい見方か。
ロードムービーの形式で、ローリングストーン誌の元編集者ジェイソンファインというお友達とふたりでゆかりの地を巡りながら、当時の映像を挟んで想い出語り。
マルチトラックを駆使したスタジオワークはさすがに見応えがあり、20代での非凡な才能をまざまざと見せつけられる。
エルトンジョンやブルーススプリングスティーンが嬉々としてブライアンを語る内容はネタバレるので伏せるとして、俺が誰より理解してるぜ的なアーチスト同士のリスペクト合戦は観ててほんとに気持ちが良い。
ルックスや演奏といったビジュアルを観るバンドではないので、こういう映画よりも音源を聴いていたいほうと思っていたけれど、こんなにもブライアンウィルソンという人の素顔を見ることのできる機会は無かったはずだし、いくらインタビューしでうまく行かず挫折しかけたという監督が、ドライブ形式にすることでカメラの存在を気にしなくなったブライアンが裸になってくれたことで成功した奇跡のような映画と言えるだろう。てか、ついカメラを忘れて泣いたり笑ったり感情を露わにしてしまうブライアン、可愛すぎるだろっ!