デブチンバラ

ブライアン・ウィルソン/約束の旅路のデブチンバラのレビュー・感想・評価

4.0
ザ・ビーチ・ボーイズの曲は”清涼感たっぷり、のどごし爽やか!”という印象が強いけれども(ビールのCM曲としては使われていませんが)、ブライアン・ウィルソンの人生は決して爽やかとか清々しいとは呼べないものがある。その苦難に満ちた人生が、「ローリング・ストーン誌」の元編集者であるジェイソン・ファインのインタビューというか、限りなく日常会話の中での質問に答える形で語られて行く。そのインタビューは、ジェイソンが車を運転して、ブライアンが隣の助手席に座ってドライブしながらというのが斬新で面白いし、きっと二人の関係性でしか生まれなかった言葉でしかなかったような気がする。そして、ブライアンが弟のデニスとカール、そして曲作りにも参加していた元マネージャーのジャック・ライリーの死をいたみ悲しむ姿がとても印象的だった。またザ・ビーチ・ボーイズやブライアンについて語る人物としてエルトン・ジョンやブルース・スプリングスティーンといった大物ミュージシャンが登場するが、デニス・ウィルソンのソロ・デビュー・アルバム『パシフィック・オーシャン・ブルー』のデラックス・エディションに新収録された「Holy Man」に参加していた今は亡きフー・ファイターズのドラマー、テイラー・ホーキンスの証言も貴重である。
デブチンバラ

デブチンバラ