ShinMakita

アンブッシュのShinMakitaのレビュー・感想・評価

アンブッシュ(2021年製作の映画)
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☆俺基準スコア:2.3
☆Filmarks基準スコア:3.5




2018年イエメン。内戦から三年となり、介入しているUAE軍モカ基地の兵士たちは人々への物資輸送任務をこなしていた。いつものように装甲車でパトロールに出たアリ、ビラル、ヒンダシの3人は、とある峡谷に差し掛かったところで無数の反政府ゲリラから待ち伏せ攻撃に遭ってしまった。AKの連射なら防御できるが、地雷・迫撃砲・RPGまで繰り出されてはたまったものでは無い。走行不能となり、装甲板も破れかけ、外に一歩でも出たら狙撃手の餌食になる状況。絶体絶命となった3人は必死に車内で救援を待つ…


「アンブッシュ」

以下、あんたが作るから価値がある。ネタバレは何も塗らないでいい。


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ピエール・モレルが撮ったミリタリサバイバルアクション。マイナス点を列挙すると、「既視感あふれる」「似た顔ばかりで識別困難」「UAEのプロパガンダ的」といったところか。

でも、だからといって観る価値無しと言えるのか。配信で流し見して良いのか。


いやいやいや、これこそ映画館で観るべき作品。それもキノシネマの小っせえ奴じゃなく、バルト9のデカいスクリーンで観たい一編。今や公開数が少なくなった胸が熱くなるゴリゴリのミリタリアクションを劇場で観られるだけでまずは満足。

そんな感じで、まずはキャラの描き方に加点。確かに顔はみんな似てるけど、それほど混乱しません。最初のトレーニングシーンと車内掃除でパトロールチームと救急隊員の顔を印象づけてくれるのが親切。主人公アリの人間性や家庭の事情を詳しく見せることで観客の共感度が上がり、ひいては戦場の臨場感と没入感が上がるように設計されています。
アクション映画としては、ドローンやアパッチなどによる現代的戦闘描写と、スナイパーの恐怖という古典的戦闘描写が併せて見られるのが良い感じ。特に、敵がアリたちに仕掛けた「炙り出し」の煙がスナイパーの目を妨げる役に立つとこなんか上手い!と唸ったね。終盤、ケンカ別れしてたあいつが亡骸を回収するとこはちょっと泣けたなぁ。執念でスナイパーを追い詰めて「背後からは撃たない」と口にするサイード大尉、救出を決して諦めないマズルーイ大佐もナイスキャラでした。

確かに、年間ベストに入る映画じゃないけど、ポリコレに忖度して息苦しさを覚える昭和世代の戦争アクション好きにはツボに入る一本。
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