ノラネコの呑んで観るシネマ

屋根裏のラジャーのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)
4.5
百瀬義行が、ようやく長編の良い脚本と出会った。
誰が書いてるのかと思ったら、なんと西村Pか!
主人公のラジャーは、少女アマンダのイマジナリーフレンド。
父を亡くした彼女を支えて来たのだが、ある事件によって二人は離れ離れになってしまう。
映画の中のイマジナリーフレンドというと「インサイド・ヘッド」のビンボンが思い浮かぶが、こっちは堂々の主役。
忘れられたイマジナリーフレンドが、他人の想像力を糧に暮らしている街があるのが面白い。
空想世界の冒険はまさにアニメーションならではのもので、映像的なクオリティは極めて高く、細部まで描き込まれたディテールは、大きなスクリーンでの鑑賞を前提としたもの。
イッセー尾形の悪役バンディングは、そもそもあんな風になってしまった原因がありそうだが、その辺は端折られてるのだろうか。
ちょい気になったのは英国が舞台なのに、なぜか一部の本のタイトルや貼り紙の文言が日本語表記なこと。
これは違和感あるので、英語で統一して字幕表示で良かったんでは。
儚げな存在たちの物語なので、ノスタルジックな詩情たっぷりの良作です。
ブログ記事:
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