けんたろう

屋根裏のラジャーのけんたろうのレビュー・感想・評価

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)
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エミリ……😢


忘れられるといふのは、何時だって恐ろしいものである。彼女が其の目に遭うたシーンでは、主人公同様酷き不安が襲うてきやがった。
成るほど同んなじやうなものは、此れまで凡ゆる作品にて何度も描かれてきた。然し何度観ても、其の恐ろしさは新鮮に私しを襲うてくる。

又た、想像力に依りて生まれし彼れらの存在は、忘却せらるゝことが直接的に死を意味する。序盤は何も面白くなかったのだが、テーマが明らかに成ってからは、非常に楽しく観ることが出来た。

時に、「忘れる」といふのが、恥づかしながら私しにはよく解らない。
脳味噌の中から其のデータが消失するといふことなのか。其れとも、不断は使用せぬフォルダに移動せらるゝといふことなのか。若し前者であるならば、「たとへ君が忘れてしまうても、僕は君の中にずっと居るよ」が当然通用せぬことに成る。反対に後者ならば、其の台詞は極めて的を射った言葉であることに成る。
其れで云ふと本作では、前例を以て大いに後者を確かなものとしてをり、故に最後がまこと感慨深きものと成りたり。


其処まで期待もせず、といふか、例に依って殆ど内容も知らぬまゝの観賞であったのだが、思ひのほか感動をした。

ポノック総力戦といふ印象である。
最後の彼れら、もとひ彼れの勇姿を、私しは忘れずに在りたい。



追伸
安藤サクラは、アニメにても安藤サクラだ‼️