【僕が生まれた意味】
[こんなクリスマス映画を観た2023🎄⑦]
今年はスタジオジブリの宮崎駿監督作「君たちはどう生きるか」が公開され、本国でも世界中でも注目され、現在でもその勢いは衰えていない。
そして、12月…あの「ポストジブリ」と言われている元ジブリの西村義明プロデューサーと「借りぐらしのアリエッティ」の監督である米林宏昌監督が設立した"スタジオポノック"の新作も今年公開された。こんな貴重な年はなかなか無い。
それがこの「屋根裏のラジャー」だ。アリエッティやメアリ同様に"イギリス文学"が原作で、今回は子供が思い描く"空想の友達"、いわゆるイマジナリーの世界を壮大に描いている。
"アマンダ"と言う少女の空想の友達である"ラジャー"が主人公の物語で、物語の中でイマジナリーがどのように誕生するのか、そしてイマジナリーが"存在する意味"何かを描いている。
ラジャーが"生まれた意味"である、アマンダと母:"リジー"の"過去"やアマンダが"傘をクローゼットに入れてしまう理由"がとてつもなく切なくて泣いてしまった。これは全ての子供達に限った事では無いかも知れないが、子供の空想が"何を原動力にして"生まれるのかが分かるし、ラジャーにとって大きな転換期となるシーンだと思った。
そしていつか訪れる"子供時代との別れの描き方"も実に美しくて、そして勿論切ない瞬間でもあって、これはジブリ作品で言うと「千と千尋の神隠し」の描き方と似ている。
ジブリ作品でも感じた鑑賞後の寂しさと「もう一度逢いたい」と言う欲が、本作でもしっかり感じ取れて、ジブリとは良い意味で違う作品なのだが、ジブリの作風もちゃんと受け継いでる作品だった。
さすがポノックだし、"寺田心"くんを含め、キャスト陣の演技も実に素晴らしかった。
私達はいずれ大人になり、空想している余裕もなくなる人も多くなるかもしれない。しかし、今でも想像力を忘れず生きている人がいるならば、変わる事はしないでほしい。たとえ、その眼で見えなくても"心の中で生き続ける"のだから…。
素敵な作品だった。皆さんも是非見てほしい
クリスマスにもピッタリの作品なので、特に大人達に見てほしい。