KIYOKO

屋根裏のラジャーのKIYOKOのレビュー・感想・評価

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)
3.0
脚本と演出がとにかく微妙だった。

良かったところは作画くらい。
でもそんなに動かす必要ある?ってくらい芝居が過剰だったりするので、作画労力の使い方が勿体無い感じした。

作画が良くてもやっぱり話と演出がつまらんと映画として面白くない。

脚本面でいえば、面白くなりそうな要素を全部スルーして微妙な脚本になってしまっている。

例えばバンティングとミーガンみたいなゴス少女の関係とか、エミリの生い立ちとか、随所随所に出てくるロボットのこととか、その辺を掘り下げておけばラストとかグッときそうなのに、ほとんど触れられないから全部シーンが流れていく。

キャラクターにもっと興味を持って作ってもらいたい。

リアリティラインの境界や、世界観のルール設定が微妙で、バンティングとエミリの戦闘する時、なぜパンティングの空気銃でエミリが消えてしまうのかわからない。

イマジナリーが消える時にでてくるキラキラが、別に忘れられそうもない時にも出てたり、あれは一体何だったんだろう。

あとラストシーンでアマンダがラジャーに言う「最後の旅」の意味もわからない。
忘れてら消えるのに、最後と自覚して言えるうちは別に消えないのでは?という疑問が拭えなかった。

もっと観客の気持ちを考えながら作った方がいい。
話の整理が全くできてないから本来感動できるポイントで逆に冷めてしまう。

セリフも全然ダメ。
冒頭の「先に言わせてもらうね、どういたしまして」って、セリフが全然その後のアマンダのキャラ性と合わないし、ただムカついた。変にキャラ付けしようとして失敗してる感じが否めない。
図書館でのエミリのまったく面白くないMCといい、セリフが上滑りしてる感じが否めない。

箱書き通りのシーンを淡々と消化してるだけ。演出的には間の取り方も微妙だから、タメがなく、シーン構成にメリハリがない。

ずっと一体何をみさせられてるんだろうという気持ちになってしまって、眠かった。

今公開中のアニメ映画でいえば、これを見るならトットちゃんを見た方が絶対に良い。
KIYOKO

KIYOKO