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屋根裏のラジャーのpokotanのレビュー・感想・評価

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)
3.6
もっと子供向けかなと思ったら、思ったよりも考えさせられる残酷な話だった。

アマンダが生み出した見えない空想の友達のラジャー。
イマジナリーは忘れられると、薄くなり消える。
それは大人になるにつれて想像の友達よりも現実世界で生きていくことでも然り、その子の命が消えることでもその子が想像したイマジナリーは消えていく。

人間は2度死ぬという言葉がある。
1度目は肉体が滅んだ時。2度目は人々の記憶から消え去った時。
何だかそれを思い出した。

アマンダの傘の決意表明はジーンと感動した。
きっと小さいながらにとても重いものを抱えていて、ラジャーを作らざるをえなかった。
カバの小雪ちゃんなど、すごく可愛らしいデザインのイマジナリーキャラクターではあるものの、その奥には残酷さが隠れているなと感じた。

図書館はどこへでも行けて、どこからでも帰ってこれる。
色んな本があり、そこには色んな世界、知識がある。
何だかその発想は素敵だった。

ラストで、Mr.バンティングがラジャーを食べようとして、中に飲みこもうとした途中で止めたところは、いやそのまま食べれば良かったじゃんと、ツッコミどころだった。

絵はとても綺麗で惹き込まれた。
声優陣も合っていて見事。
仲里依紗、すごい上手かったなぁ。
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