ShojiIkura

恋は光のShojiIkuraのレビュー・感想・評価

恋は光(2022年製作の映画)
3.8
 原作未読。ここのレビューを見て原作は結論が違うと知った。作中にもあったが、「結局幼馴染の所に戻る」は既定路線だし、話が進む中、結末が見えてはいた。しかしこの作品はどういう結論になるかではなく、なぜその考えに至ったかを注目する物語だと思う。
 4人のキャラクターがそのセリフから輪郭をはっきりさせる絶妙な台詞回しは、それだけで心地よい。監督はと調べると、「殺さない彼と死なない彼女」の小林啓一監督。あの映画も台詞回しが絶妙だったので納得。その「殺さない〜」からサスペンス要素を引っこ抜いてる分、こっちのほうが好みかな。
 細かいことを言うと、北代が西条を好きと感じたきっかけが弱い。うがった見方をしてしまうと、思いが強くなったのは東雲が現れてからで、どうせ誰も西条の良さに気付かないと決めつけていたのだろう。
 そして最後に宿木の存在。作品冒頭で誰かに頭から飲み物をかけられた同じカフェで、作品最後に「ちゃんと恋をしよう」と呟く起承転結。西条に絡む必要のない存在だが、物語のいいスパイスになっていた。
 終わり方としては完璧だが、4人のこの後がどうなっていったかも気になる。続編ありかも。
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