けーはち

恋は光のけーはちのレビュー・感想・評価

恋は光(2022年製作の映画)
3.7
恋する女性が文字通り“光”に満ちて見える特殊能力持ち男子を中心としたファンタジー恋愛劇。恋を理解するため本の虫となっているおっとり文学女子、活発な幼馴染女子、他者の恋人を欲する略奪愛系女子の三すくみでインテリメガネ男子の主人公を取り合う恋の鞘当てをしながらも、恋の定義を巡って小難しく議論を交わす会話劇へと発展。「恋は本能と学習から成る感情」と定義した上で、主人公の異能力を踏まえ、彼にとって恋とは何であるか、彼は誰と付き合うか、という結論へ向かう。映画では主人公が女性に安心感や母性愛を求める解を出し(男性監督の考え)、原作では強い執着・所有欲・庇護欲を表明する決着を描いて(女性原作者の考え)、180度違うラストに突き進むのも面白い。いかにも漫画チックなセリフ回しがどうにも鼻につくという難点はあれども、そこを何とか個性として飲み込めば、通常のアオハル映画とは大きく異なる一風変わった青春恋愛劇の珍品としての個性が光っている。