いなだ

生れてはみたけれどのいなだのネタバレレビュー・内容・結末

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

(活弁入り)
お、おもしれ〜〜!!子ども目線で見る大人社会の理不尽。
越してきた郊外の地で、腕力と知恵をもってして何とかガキ大将ポジションに収まった兄弟は、僕のパパが一番偉いもんね!と胸を張っていたが、職場では父親が上役にペコペコしているのを知って失望する。子どもの世界と大人の世界は全く違うルールで動いている。子ども同士のパワーバランスは単純に強さによって変化するが、大人同士はそうもいかない。兄弟に責められる父親の哀愁に胸が締め付けられるが、コメディ的な要素もあってそこまで重くならず、兄弟がこの社会を強く生き抜いていくことを願えるラストだった。子どもなりの反抗心で、庭で朝食も食べずに拗ねている兄弟に母親が握り飯を持っていき、父親が一緒に食べていいか?って話しかけるところが本当にいいな。
親の心、子知らず。雀の卵が少年たちの間では貴重で、飲むと強くなるから集めるって謎の風習が面白かった。でも飲むの怖いからって飼っている犬で試すなよ。
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