野田陸

生れてはみたけれどの野田陸のレビュー・感想・評価

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)
3.7
子どもたちが社会に直面した時にそこにある欺瞞を暴き、しかしその欺瞞こそ我々の社会を構成する重要な要素であるということを映す。
構成が「お早う」に非常に良く似ているが、「欺瞞は大人も承知である」という達観した視点が父親側にあるのが面白く、苦い人生の深みがある。
会社員をパンで映しながらシームレスに学生達の映像に切替えるカット割り、超現代的センス!

「この父母は息子達を本当に愛しているのだ」という事を無音の白黒映像で完璧に映し出している事に全く価値がある。
野田陸

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