れいゆ

生れてはみたけれどのれいゆのレビュー・感想・評価

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)
4.5
今まで映画で感動したことはあれどうるっと来たことすらなかった自分でも涙が出そうになった、小津安二郎すごい
お父さん役の方の演技が凄まじく、寝ている息子たちを見る目が優しすぎて感動する
父息子というものはほとんど言葉を交わさず、むしろ短い言葉や体験を通して息子は父の「型」を身につけるのだということを友人がよく言うがその通り、長男と父はこんなにも似ている、その上で一回「父を殺す」経験が男の子には必要なんだろうな、
セリフの入れ方ってこんなサブリミナルなんだ、編集で上乗せ出来ないからカットで入れてるの面白い
無声であるが故にセリフが上手くなくても映画が成り立つから無声映画はもしかすると現代の映画とは違うところをターゲットにできるのかも知らない、例えば現代の実写映画ではどんな子役を使っても嘘くさくなってしまうのだが(主観)、無声であるからこそ声の演技が必要ないから自分の想像力で補うためリアルに見える
またセリフが少なくかつそのセリフは1カットでまるでラーメン屋に張っている迷言のように写るので言葉の重みがそれとは違って段違い
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