佐藤克巳

生れてはみたけれどの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)
5.0
麻布のサラリーマン家族が郊外に引っ越し、長男菅原秀雄、次男突貫小僧の転校生が、地元の子供に喧嘩を売られ授業をサボタージュするが、酒屋の小僧小藤田正一の手を借り餓鬼大将飯島善太郎を懲らしめてそれに取って代わる。催眠術ごっこや雀の卵で近しくなった父斎藤達雄の会社専務坂本武の息子加藤清一の屋敷で映写会が催され、父の醜態が晒され大人のヒエラルキーな浮世に納得が行かない。父斎藤と母吉川満子は、いずれは知る事になる試練と捉え見守る他なかった。なおこの作品は、小津安二郎監督の評価を決定づけた傑作であり、サイレント映画の域を既に超えており、松竹チルドレンの連携演技の素晴らしさも特筆したい。
佐藤克巳

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