「全く音がしない」
リモコン壊れたのかと音量上げ下げ。
そのうち台詞字幕が出てきて「サイレント映画なんかい」とつっこむ。
失敗したーと仕方なく観る。
しばらくすると字幕や音が無い分、映像に集中し始めていることに気がつく。
ついには会話が脳内再生されるまでの境地に。
不自然に状況説明するセリフも煽りBGMも無い。
緻密に作られた映像表現に感動しました。
1932年公開の作品だがテーマは現代にも通じる。
主人公の兄弟は小学校でガキ大将的存在で、たくさんの子分を引き連れ得意気だ。
兄弟の父親は家では中心的存在なのだが、外では同級生の父が経営する会社のサラリーマン。ある日、親父の外の顔を目撃してしまう。道化を演じご機嫌とりをしていたのだ。
「なんで父ちゃんは偉くないんだい?」とイラ立つ兄弟。
果たして彼らは現実を受け入れられるのか?
大人社会と子供社会が交錯する哀愁コメディ。
チャップリンを彷彿させる傑作です。