ShojiIkura

ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~のShojiIkuraのレビュー・感想・評価

3.9
 前作の公開後の父母の様子を追った続編ドキュメンタリー。脳梗塞→寝たきり→胃瘻はまさに僕の母の流れで、僕の母は緩和ケア施設に移動する前に他界したが、この映画の母は何度も医師から最終通告を受けながらそれを乗り越えたり先伸ばしたりして来られたのは、父の声かけの力と思わざるをえない。コロナ禍で面会や見舞いが制限させられたのは(僕の母の時もそうだったので特に思ったが)母と過ごすことが出きる残りの時間を逆算すると本当に痛恨だったと思う。

 監督である娘が父に、母が危篤状態と伝えた時の父の表情が忘れられない。さらに心をうったのは緩和ケアの病院に転院させる時に実家に立ちよった母が泣いたシーン。思えば認知症の実録という形で始まったこのドキュメンタリーだが、特にこの続編では、意識が遠退く母が家族や家にだけはあり得ない認知を示すという実録となっていて、本当に驚いたし、家族の絆の強さを感じた。
 ついに100歳を越えた父には、心からお元気でと伝えたい。
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