ニシカワリキ

勝手にしやがれ 4Kレストア版のニシカワリキのレビュー・感想・評価

3.0
映画を見る余裕がずっとなかったのだが久々に見ようと思い立ち、どうせなら見ることに意味があるタイプの作品群のビンゴカードを空けていこうと思い視聴(失礼)。
映像の批評言語は相変わらず持っていないので語り得ないのだが、加えて刹那的で原初的で悲観的なヘテロ・ラブロマンスに対する美的感覚もまた共有できない質なのだと痛感させられ、自分が世界から取り残されているような感覚を覚える。しかしこの前に見返したハロルドとモードはやっぱりサイコーだ……となったのは何が違うんだろうか。色がついててナラティブがわかりやすいから、とかそういう自分が惨めになるような話になりかねないのだが……
しかしまあ、こういう映像的美学を持った監督が自ら書いた脚本らしい、迂遠で空中戦的なセリフやカットは、自分のような言語野優先かつ頭の固い人間からは絶対出てこないもので刺激的。感冒的な青臭い狭量さから、こういうのを簡単に「詩的」と評することは留保したいが。(そういうカゼを引いている的な。みなさんもそういう時ありますよね?)