とらキチ

気狂いピエロ 2Kレストア版のとらキチのレビュー・感想・評価

気狂いピエロ 2Kレストア版(1965年製作の映画)
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「Allons-y, Alonzo」
アンナ・カリーナの小悪魔的な美しさを堪能。メイクも衣装もスタイルもとても現代的でカワイイ。ホント、子猫ちゃん。
「勝手にしやがれ」みたいなジャンプカットとかは無くて、そこらへんについては見やすかったし、絶対計算、意識して配されただろう鮮やかな色彩設計や劇中のセリフ、モノローグは詩的で美しい。でもやっぱり意味不明な部分が多いし難解。“死”というものがが常に周囲に漂っていたという印象。
ただただ破滅へと向かってゆく主人公達。そんな刹那的な姿に不思議と魅了されてしまう。若き日のジャン=ポール・ベルモンドの発する豊かな身体的表現性がとても際立っている。あの軽い身のこなしと芸達者な表情によって、今作は成立しているように思う。
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