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気狂いピエロ 2Kレストア版のSQURのレビュー・感想・評価

気狂いピエロ 2Kレストア版(1965年製作の映画)
3.0
お、これ好きなやつだ、ってなったんだけど、描いている題材に対して尺があまりに長すぎ。体感3時間あった。半分で良かった。

内容としてはコールフィールドばりの主人公がゼロ年代セカイ系のノリで(どこか遠い国で戦争があって人が死んでるらしい、みたいな空気感は『最終兵器彼女』とか『ほしのこえ』とかにそっくり)、空虚な思考を持て余して1人(というか2人)でグルグルする、といった感じで、中盤くらいまではこの映画における他者性は〜とか色々考えながら見てたんだけどあまりに長すぎてそういうのが全部吹っ飛んでしまった。
こういった思弁性をもって空虚を描く映画は得てしてダサくなりやすいけれどセリフのテンポとか色彩のバランスの美しさとか女優の顔が良いとかそういうので心地よく見られたのでよかった(ただし長すぎる)。

あと、『勝手にしやがれ』から続けて観たのでカラーがあることがとても嬉しかった。
色があると急に世界が美しく見える。
私の感性は少なくとももうすっかり色に依存している。
色最高!
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