きりん

気狂いピエロ 2Kレストア版のきりんのレビュー・感想・評価

気狂いピエロ 2Kレストア版(1965年製作の映画)
4.0
金持ちの妻と結婚して退屈な日々から抜け出したいフェルディナン(ジャン=ポール・ベルモンド)は再開した昔の恋人マリアンヌ(アンナ・カリーナ)と一夜を過ごす。翌朝、ハサミを突き立てられた見知らぬ男の死体を見つけるが、訳は後で話すと言うマリアンヌの言葉で2人は南仏へと逃避行を始める話。
『勝手にしやがれ 4Kレストア版』と同時期に上映された2007年2Kレストア版。

青春を過ぎた男の破滅に向かう無軌道を描くヌーヴェルヴァーグの最高傑作と称される作品。ちなみにタイトルの読みは きぐるい- ではなく きちがい- です。

冒頭のパーティシーンで登場するアメリカの映画監督はゴダールの敬愛するサミュエル・フラーが本人役で特別出演してるとか。


ビビットな色彩が目に突き刺さる❤️💙💛
そして不穏で煽る音響が耳を逆撫でする。

『勝手にしやがれ』同様ぶつ切りしたようなセリフ回しと急な展開にやっぱりわかりずらいが2人の関係性の行く末は破壊的🦜

アンナ・カリーナの魔性とも言える美貌がフェルディナン同様に私のことも虜にしていく。

またベトナム戦争芸だったり、浜辺での謎のダンスだったり、頭の中を同じ音楽がぐるぐるする男だったりとストーリー関係ないところでぶっ飛んでる。てかほぼストーリーないけど。これもやはり即興演出がなせる技なんだろうか🤔また絵画的要素も垣間見える。

ラストはあまりに衝撃的で度肝を抜かされるがその後の海の青さがこれまた印象に残る。
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