さすらいの雑魚

戦慄せしめよのさすらいの雑魚のレビュー・感想・評価

戦慄せしめよ(2021年製作の映画)
4.0
JAZZが、特にドラムが好きな人、見るべし。
そんな和太鼓映画です。

残酷な神への抗議の叫びか、はたまた不実な造物主への報われぬ愛の告白なのか、渾身の限りに叩き出す和太鼓の魂切る打音は、この世の内の何者かではなくこの世界の理の外に超然と在る彼に、どうか届けと雄叫ぶ恋闕の激情なのでしょう。

映画館の闇の底で、
剛打は腹の下皮を鷲掴み、ゆすぶる。
肉の揺れが精神を昂ぶらせ魂魄を異界に飛ばす。
心なんて肉の付属品だって誰かが言ってたな、と不意に思い出した。

ハートが震えビートが燃え尽きるとき、刻んだ生命の波紋がオーバードライブするのはJOJOだけど、それは真実だとこの映画を見終えた今ならわかる。
鍛え磨き集中し凝縮し結晶化させ、その果てに人の限界突破を志す何か。
至誠天に通ず と古賢が喝破したと言うが、そうゆう事なのだろう。

音と映像が浮き彫りにする渇望する魂の咆哮は、大スクリーンの良音響な映画館で見ておかないと、ちょっと損ね😅