TK

グリッドマン ユニバースのTKのネタバレレビュー・内容・結末

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

SSSS.GRIDMANとSSSS.DYNAZENONの待望の続編にしてクロスオーバー。本当に観たかった映画を観せてもらえてとても満足しました。
不必要な説明は省くことでテンポが良くなっており、それでいて2時間弱という長尺の中、全く飽きさせない構成になっていた。
明確に続編として作られているため過去作の謎が明かされたり、その後の物語も充実した内容で描かれたりと、キャラクターや世界観描写としても満足。
物語としては裕太と六花のラブストーリーとなっており、こういった内容もTVシリーズの学生の情緒的な物語と違和感なく繋がっていて良かった。
グリッドマン、グリッドナイト、ダイナゼノン、ゴルドバーン、新世紀中学生達のバトルシーンも濃厚で長尺。バトルシーンも日常シーンも全てが二転三転として視聴者を一切飽きさせない豪華な内容だった。
SSSS.GRIDMANのラストシーンと、オープニングテーマであるOxT「UNION」のMVから、現実世界のアカネが再登場したシーンでは涙が止まらなくなった。その後アレクシス・ケリヴを「インスタンス・ドミネーション」するシーンには驚いたが、怪獣優生思想のコスチュームを着たアニメの世界のアカネが出てきた事にはもっと驚いた。
文字通り、全員の力を合わせて戦うラストバトルや、アレクシスの救済も素晴らしい物語の完結だったと思う。
いくつか気になる点があるとすれば、蓬とアカネが「インスタンス・ドミネーション」出来る理由や、ダイナゼノンもまたコンピュータ・ワールドの一つであった点など、まだすべての謎が明かされた訳では無いという部分や、「グリッドマンユニバース」の説明がよくわからなかった点にある。
しかし、グリッドマンユニバースという作品における起承転結はしっかりと描かれており、TVシリーズの続編としても非の打ち所がない傑作だったと思う。
SSSSシリーズにおけるメタ的な物語は、同時に空想に耽る少年少女達への救済の物語であると感じたし、本作品もまた、それら全てへの新しいアンサーだった。
今全てを観終わった上で改めて今作の主題歌であるオーイシマサヨシ「uni-verse」の歌詞を見ると、SSSS.GRIDMANにてアカネが救われたように、私達も救われているような、同時にグリッドマンユニバースという作品を全て表しているかのような内容で感動を覚える。
TVシリーズの続編だからこそ気になる点もありつつ、非常に満足できる最高傑作のアニメ映画だった。
もう一度観たい作品。
TK

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