マレーボネ

グリッドマン ユニバースのマレーボネのネタバレレビュー・内容・結末

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

グリッドマンユニバース、めちゃくちゃ良かったー!

シリーズファンにとってはまさに理想のクロスオーバー作品で、宝石箱みたいな展開の目白押し。
奇しくもマルチバース題材のエブリシングエブリウェアオールアットワンス、特撮オマージュのシン・仮面ライダーが公開されてる中にあって、まさかの一番満足度が高かった。

このシリーズは奥行きを感じさせる展開が本当にすごい。

SSSSグリッドマンは、往年の特撮シリーズの懐古的なアニメバージョンと見せかけて、回を追うごとに当初は敵役でしかなかった新庄アカネの内面に焦点を当てた物語を展開。
さらに終盤には、実は電脳世界を通してテレビシリーズと設定を共有していたというサプライズで、厚みをもった層状の世界観を作り上げていた。

続くSSSSダイナゼノンでは、世界観や設定を踏襲しつつも、前作とは別の世界を舞台とする群像劇でキャラクターたちを掘り下げることで、ジュブナイル的な要素がより引き立った物語になっていた。

どちらも単体で熱くておもしろいSFアニメなのは間違いないけど、何よりすごいのが、ダイナゼノンが終了した時点で『旧シリーズ&現実世界+無数の電脳世界、キャラの良さで無限にセルフクロスオーバーできる』という状況を作り出してたこと。

たった2クールのアニメでMCU並のポテンシャルを秘めたユニバースを作りあげたのは本当に画期的。

……で、今回のクロスオーバー。
この時点でおもしろくないはずがない。

さらに今作ではシリーズファンが「もっとここが見てみたい」とか「こういうシーンが見てみたい」という期待にしっかり応えてくれていた。

たとえば、
裕太と六花のその後とか、アカネは現実世界でうまく頑張れてるのかとか、ガウマと姫のエピソードとか、ダイナゼノン組のワチャワチャがずっと見てたいとか、挙げだしたら切りがないようなキャラクターたちのエピソードがてんこ盛り。

ガウマがいつのまにか「なんとかビーム!」を正式名称にして戦ってるところとかシリーズものならではの萌えポイント。好き。

あと、1作目裕太が実はグリッドマン本人だったことで、本物の裕太が完全に蚊帳の外に置かれてしまっていたことによるモヤモヤはかなり大きく取り上げられていて、改めて裕太本人を主人公とするストーリーが1から丁寧に語られていたのはすごく嬉しかった。

もちろんSF・特撮バトルは熱さ満点。
やっぱデッカいメカが合体しまくって敵をなぎ倒すのプライスレスすぎる。他には何もいらないです。

「見たいものが見れた!」という感想が多いけど、ほんとその通りで、「こういうのが見たい」と期待してたものが破綻せずに目の前でバンバン実現されていくの、センス・オブ・ワンダー以外の何ものでもないんだよな〜。

クロスオーバーと非常に相性の良い展開をしてきたシリーズの、満を持したお祭り作品として異常に満足度の高い作品でした。


(追記)
蓬とガウマが六花の家のダイニングでしゃべるシーン、榎木淳弥さんの演技神がかってた。声だけで泣けてきた。ここハイライト。良
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