あんじょーら

グリッドマン ユニバースのあんじょーらのレビュー・感想・評価

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)
2.6
テレビシリーズ、SSSSグリッドマンは大変面白く観させていただきました。何と言っても悪役がタマラナイ世界観で、アニメーションで特撮をやる、という意気込みを感じさせてくれます。なによりストーリィの収斂するポイントが素晴らしかったですし、歌もアガるし、TRIGGERが作っているので、アツい。アツ過ぎるくらいにアツいのが平常運転。だってプロメアを作っている会社なわけですし。

ただ、テレビシリーズの2作目、SSSSダイナゼノンがあまり乗れなかった。グリッドマンは原作に実写特撮のシリーズがあって、それを基に作っているわけで、その辺への配慮も感じられたのですが、このダイナゼノンはどちらかというと、もちろんグリッドマンアニメーションも当然エヴァンゲリオンの影響下にあるわけですけれど、凄く日常系に、そしていわゆるセカイ系に寄った作品し仕上がってて、それも比較的オタクな男子目線だけで出来上がってて、その辺が飲み込みにくかった・・・というか多分私がオジサンになって感性が鈍ったからだと思います、14歳くらいで初めてセカイ系を経験する、とかだと、大絶賛していた可能性もある。あるけど、それはまた別の宇宙、の話し。

で、映画です。

この映画も、さらにセカイ系やエヴァンゲリオンに寄せた作りで、そこにまどマギ風、なアレンジを入れています。入れてはいるんですけれど、あくまで風、なんでちょっと論理とかタイミングとかいろいろん??な所が合って乗れなかった・・・もちろん、今の世界でメタ視点を入れるのはイイし、非常に面白いんだけれど、それは旧劇場版でもう既に庵野がやってて、だからもう少し新鮮味、何か新しい要素を入れて欲しかった。

なので、グリッドマンアニメーションテレビシリーズの最初の頃のような、アニメーションで特撮をやる、という表現方法も、正直驚きは無かったと思います、もう既に観た事がある。ただ、劇場のスクリーンに映えるように演出されてるし、スケールアップはしているし、もちろん大音量の音で観れて感謝なんだけれど、もうひとひねり欲しい感覚があった。

そしてTRIGGER作品はもっと男児向け、というか大きいお兄さん向け作品こそが印だった気がするんだけれど、それまガウマさんだけで、他には誰もそのポジションが居ないのもちょっと悲しかった。いや、そういうのだけじゃない観た事が無いキャラクターが居ればまだ納得出来たんでしょうけれど、普通に観た事ある、よくいるタイプのキャラクターばかりで、特に女性キャラクターは、男児が夢見るタイプしか出てこないのはちょっとどうかと思う。

という否定的な事も考えるけれど、もちろん観ている時は、いけ、グリッドマン!とか心では思ってるわけです。

あ、あと1番好きなキャラクターが出て来てくれてよかった。

オジサンになっても観に行っちゃってて恥ずかしい・・・でも、イニシェリン島も面白いと思うし、全然違う意味でグリッドマンも面白い。そういう面白さって平行世界のユニバースみたいな感覚がある。ま、ただのダメなおじさんの戯言なんだけど。