うにたべたい

グリッドマン ユニバースのうにたべたいのレビュー・感想・評価

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)
2.8
1993年放映の特撮番組『電光超人グリッドマン』を原作としたプロジェクト『GRIDMAN UNIVERSE』 3作目。
1作目『SSSS.GRIDMAN』と、2作目『SSSS.DYNAZENON』をクロスオーバーさせた内容で、各作品の主要キャラ、及び巨大ヒーローが登場します。

基本的にはSSSS.GRIDMANの世界が舞台となっています。
アレクシス・ケリヴを倒してグリッドマン、新世紀中学生らがハイパーワールドへ帰還したその半年後、怪獣の出現はなく世界は平和を取り戻した。
グリッドマン同盟の三人は2年生に進級したが、響裕太はあれから宝多六花へ想いを伝えられておらず、裕太は数カ月後の学園祭の終わりのタイミングで告げることを内海将に宣言する。
だが、そんな折に裕太は、六花が一人暮らしの大学生の部屋に消えていく姿を目撃してしまう。
酷くショックをうける裕太だが、その時、突如、怪獣が出現、グリッドマンと新世紀中学生に再開したグリッドマン同盟の3人は、グリッドマンとなって怪獣を撃破する。
そこに、SSSS.DYNAZENONの操縦者だった麻中蓬、南夢芽、山中暦、飛鳥川ちせが迷い込むというストーリーです。

ぬるいSFで使い回されたマルチバースもので、多元宇宙が何らかの因果によって絡み合ってしまい、このままだと世界消滅の危機を迎えてしまう、という展開です。
元々、SSSS.GRIDMANから別の世界の存在は述べられており、想像主たる新庄あかねも別次元の人物であることより突飛な展開というわけではないですね。
元作品のグリッドマンでも異世界から逃げてきた次元犯罪者を、ハイパーエージェントであるグリッドマンが追い詰める話なので、原作準拠といえなくもないです。
ただ、とにかく話がわかりにくく、SSSS.DYNAZENONで顕著だった、"ストーリーや状況説明そっちのけで、勢いでなんとかする"ようなところがかなり強いです。
理屈が理屈になっておらず、色々唐突で、私は途中でストーリーを追うことを諦めてしまいました。
ご都合主義な超展開を繰り出す割には説明が少なく、結果、やたらと変形合体を繰り返すロボットのギミックばかり印象に残りました。

怪獣も一応、登場しますが、妙にキラキラしてます。
最初のSSSS.GRIDMANの良デザインはどこに行ってしまったのか、生物的な感じは無く、もはや怪獣に見えないというのが正直なところです。
グリッドマンも円谷ヒーローな感じは無く、ロボットとの変形合体のやり過ぎで、完全にロボット化しています。
怪獣サイドももはやロボットといってしまったほうがよく、劇場版のバトルはガンダムに近いと感じました。
巨大ヒーロー好きや怪獣好き向けの作品ではなく、しゃべる悪役ロボットを倒すために主人公たちがしゃべるロボットに乗り込んで戦う話になってます。

また、変形合体もやり過ぎで、元の特徴が無く、何と何が合体してそうなったのかわかりにくいです。
対してピンチでもないシーンでアシストウェポンが唐突に現れ、前フリ無く合体して合体後の名称を叫ぶ、少し戦ってまたすぐ別のアシストウェポンと合体して叫ぶの繰り返し、グリッドマンとダイナゼノンの合体はあると思ってましたが、悲しいほどインパクトに乏しかった。
ストーリーがわかりにくいので、ぶっちゃけ何と戦っているのかもよくわからず、ただただごちゃごちゃしていました。

作画はとてもきれいでしたが、結構、2時間を長く感じてしまったというのが、正直なところです。
SSSS.GRIDMANの怪獣とグリッドマンのデザインは、ゼッガーを除けばとても良かったのですが、個人的な感想ですが、元々子供向けなのでもっとシンプルでよかったのに、と思いました。