けんけん

サバカン SABAKANのけんけんのネタバレレビュー・内容・結末

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ひと言で言えば、とある夏の思い出。そこだけを切り取れば誰にでもある懐かしい思い出話。でも、映画サバカンは子供の頃にはあまり意識してこなかった子供心の微妙な心情をとても丁寧に描いている。映像も昭和感が凄く良く東京育ちの自分でも懐かしさを感じた。特に、久田の両親役の竹原ピストルさんと尾野真千子さんが秀逸。
久田と竹本は家庭環境が真逆にも関わらず、親友になる。でも、同年代ということもあり年齢的にも女の子を女性として意識し出したり、自我が芽生えて善悪に対する違いも理解しつつある事を冒険を通じて感じている。真逆な2人を結びつけたのは、サバカン寿司。時には信頼関係が崩れかける場面があるが、最終的には自分達の素直な気持ちを相手に示している。信頼関係を示す言葉は、「じゃーね」「じゃーね」と言う何気ない会話だけど、グッとくるものがあった。駅でのお別れのシーンに出てくるサバカンが、親友関係を確認する重要なポイント。
5.0にしなかったのは、ブーメラン島に渡る描写が短かった事。俯瞰でみたブーメラン島は、小学生が冒険で渡るには無理のある距離だったところがちょっと現実に引き戻されてしまって残念だった。でも、エンドロールに出てくる役者さん?の名に胸熱な名前があったので是非最後まで見て欲しい。涙なしには見られません。
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