あわじゅん

サバカン SABAKANのあわじゅんのレビュー・感想・評価

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)
3.0
スタンバイミーの日本版のような作品

1986年のひと夏の冒険。青春グラフティ。
昭和の良き時代のノスタルジーで、玄関横の大きな温度計、駄菓子屋の瓶のラムネ、ワッフル地のパジャマ、ヤンキーのバイク…たくさんの共感する所があり少年時代にタイムスリップしたようでした。

今のような超監視社会では無く、なんとなく悪いことがうやむやに許される大らかな時代。
この主人公よりひと回りもですが、この時代の10年は価値観が殆どありません。

それだけ時の流れがゆっくりだったのでしょう。

同じぐらいの速度で時代を生きてきた人と
その10倍、100倍の速度で生きている今の若い人と考え方が違うのは当たり前だと言う事を改めて思い知りました。

この映画に足を運んだ人たちは皆私と同じぐらいの世代、50代後半から60台の人ばかりでした。

昭和の時代許された小さな悪が、今はネットで瞬く間に炎上します。

時間の早さが変わってしまって5人組のようなムラ社会に変わってしまった今、それに気づかない高齢者はどんどん時代に置いて行かれ生きにくくなります。

渇いた時代に昭和にあった潤いを求めるのは私達ばかりなのでしょうか…。