みかんぼうや

サバカン SABAKANのみかんぼうやのレビュー・感想・評価

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)
3.5
後半、たっぷり泣かせていただきました。いや、あの流れで泣くなというのはある種の修行です。フォローしているレビュアーさんもほぼ超高評価、フィルマ平均スコア4.1ということも納得のいい映画だと思います。

・・・が、私にはちょっと話が綺麗すぎたのか、正直なところ、思ったほどハマれず。というのも、前半のイルカ捜しのくだりが終わるあたりまではあまり共感ポイントやワクワク感を持つことができず、観ていて結構飽き気味に。後半は冒頭に記載の通り、感動はしたものの “例の事件”は、個人的にちょっとやり過ぎ感を持ってしまい、それも含めて全体的に“泣かせ”演出が多い印象。しっかり泣かされはしたものの、心にズッシリ刺さる感覚には至らずでした。

とはいえ、さすがに竹原ピストルが多くを語らず息子を抱きしめるシーンは、もう生理的現象と言うか、条件反射的にむせび泣きましたが(笑)。

主人公たちの年齢が自分より4つ年上くらいの年代なので、キン消しなどは世代的にも見事にヒットするはずなのですが、期待していたほどノスタルジーを感じなかったのは、主人公たちの自然に囲まれた環境と自分の幼少期の環境があまり重ならなかったこともあるからでしょうか。

いい映画であることは間違いないですが、困難な生活環境にいる友達との友情物、という内容で言うと、そもそもコンセプトが違いますが、「泥の河」のほうが個人的には遥かにズシリと刺さる好みの作品でした。
みかんぼうや

みかんぼうや