結局カレー

サバカン SABAKANの結局カレーのレビュー・感想・評価

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)
4.4
STAND BY ME in 長崎。なんの根拠もないイルカが見られる話に乗せられ、交番に届けなかった100円の罪悪感に駆られ、朝5時に出発したひと夏の冒険。田舎町で育つ小学生がひとりじゃ考えもしなかった冒険。親にも黙って子供2人でお出かけする好奇心と怖さ、スケールは小さいようでとんでもなくデカい。あの年代の頃しょっちゅう起きてた数々大事件に想いを馳せるけど、今考えればすぐ解決する大したことない出来事ばっかりだったなー。でもあの頃の経験がもたらした感動は何年経っても自分の根底にある不思議。どこまで見据えてたのかはわからないけど止めずに荷台にタオルを縛って送り出してくれたとーちゃん、最高にカッコよかったわ。これぞ“とーちゃん”“かーちゃん”って感じで竹原ピストル&尾野真千子の夫婦感もだいすきだった。一生仲良く喧嘩しててくれ。

サバカン寿司。初めて人に振る舞って美味しいと言ってもらえた喜び、父ちゃんをカッコいいと言ってもらえた嬉しさ、寿司屋になれと夢を肯定される心強さ。人生のお守りみたいな勇気が久ちゃんによってこのサバカン寿司に込められる。久ちゃんも同じく竹ちゃんによって本を書く人になる夢を後押しされる。家や夢や言葉を笑わない友人は財産だよ。またね。を噛み締めう2人が愛おしかった。「友達じゃない」と言う言葉の裏にある自信のなさと否定されたと思うショックの噛み合わなさがもどかしかったけどこの頃はこんなボタンの掛け違いよくあったな。別れの時、涙を流すことなく言った「俺たち、友達ばい。」という言葉と袋いっぱいのお守りは最高の贈り物だった。グッと来た。

何年会わなくてもあの頃の呼び名で再会できる友人が何人いるだろうなぁ。終わりのない友情ってものをもう少し大事にしたいと思った。