こなつ

サバカン SABAKANのこなつのレビュー・感想・評価

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)
4.0
2022年8月公開映画。人気テレビドラマ「半沢直樹」の脚本なども手掛けた金沢知樹の映画初監督作品。監督の故郷である長崎県が舞台。

かなり評判の良い作品で気にはなっていたのだが、私は小さい時、鯖のお寿司に当たって死にかけてから1度も鯖を口にしたことがないので、タイトルで凄ーく観たいという気持ちにはなかなかなれなかった。

そんな気持ちとは裏腹に、暑くて長い夏の夜、心をふと温かくしてくれた素敵な作品。幸せな気持ちになれた。なるほど、サバ缶を見ると思い出す子供時代とはこういうことだったのか、、、

1986年の夏。長崎の小さな港町。小学生の久田はある日、家が貧乏なせいでクラスの嫌われ者だった竹本から思いがけない誘いを受ける。翌日2人はイルカを見るため久田の自転車に乗ってブーメラン島を目指す。2人の少年のひと夏の冒険とそれぞれの家族との愛情に満ちた日々が描かれている。

田舎の風景、温かな方言、誰もが振り返れば懐かしく思うような小学生時代の体験。これは子供達の物語です。
「じゃあね、またね!」別れ際何度も何度も繰り返し、去っていく友達を振り返る。こんな時代もあったな。今は出来ない懐かしさが込み上げる。

突然の別れでもう会えないかもしれない2人の最後の会話。
「オレたち、友達ばい」
「知っとる」
胸が熱くなって涙が溢れ、久田と一緒に泣いた。

子役の2人は、初めての演技ということで異例の大抜擢らしいが、自然体でとても良かった。
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