てっぺい

バッドガイズのてっぺいのレビュー・感想・評価

バッドガイズ(2022年製作の映画)
3.5
【悪くない映画】
見た目も素行も悪い奴らの、ホントはいい奴な絆の物語。アニメだからこそできる映像のど迫力と、散りばめられた名作へのオマージュが見応えあり。見終わった印象は“バッド”の正反対。

◆トリビア
○ キャラクターとテーマは、『オーシャンズ』シリーズ、『ルパン三世』、『パルプ・フィクション』、『BEASTARS』などのさまざまな犯罪映画やアニメシリーズからインスピレーションを得ている。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/バッドガイズ)
〇監督によると、本作は「宮崎駿や鳥山明といった日本のアニメからも着想を得た」。(https://www.oricon.co.jp/special/60628/)
〇映画冒頭は『パルプ・フィクション』(94)のパロディ。また、会話を終え、店から銀行へ移動するカットは2分57秒7の長回しで、ドリームワークス史上最長。(http://www.rm2c.ise.ritsumei.ac.jp/tamura/vfx/vfxv_content1115.html)
〇車からお札があふれ出すシーンは宮崎駿監督『ルパン三世 カリオストロの城』のオマージュ。(https://www.asahi.com/articles/ASQ9Z44BHQ9YUCVL036.html)
○女性知事ダイアンの乗る車はフィアットやビートルのイメージで、「ルパン三世 カリオストロの城」へのオマージュ。(https://bestcarweb.jp/news/entame/516202/amp)
〇キービジュアルは『オーシャンズ11』のパロディ。(http://www.rm2c.ise.ritsumei.ac.jp/tamura/vfx/vfxv_content1115.html)
○ バッドガイズを大量のパトカーが追いかけるシーンは、ジョン・ランディス『ブルース・ブラザース』('80)の影響を受けている。(https://bestcarweb.jp/news/entame/516202/amp?prd=2)
〇原作は、ニューヨークタイムズベストセラーリスト(児童書、絵本部門)に120週間リスト入りし、世界で1600万部発行(2012年12月時点)されている。(https://www.alpaca76.com/archives/25280)
○原作の日本語版第1~6巻の試し読みができる。(https://www.bookbang.jp/article/737964)
○吹替版では、シャークを演じるチョコレートプラネット長田が英語ラップを披露。発音を修正しながらのかなり苦戦した収録となった。(https://www.oricon.co.jp/news/2249592/full/)
〇吹替版では、ピラニアを演じる河合郁人が”アイドル感”を捨てて歌唱するよう要望された。また、インタビューで”悪い癖”を聞かれ、鼻毛を抜いてメンバーに写メを送る事を明かした。(https://natalie.mu/eiga/news/492566)
○監督は続編として、刑に服したミスター・ウルフが社会に出た後の姿を描きたいと考えている。(https://jp.ign.com/the-bad-guys/62971/interview/?amp=1)
○監督のピエール・ペリフェルは、見ていたジャパニメーションとして「アルプスの少女ハイジ」「ルパン三世」「AKIRA」「風の谷のナウシカ」「ドラゴンボール」「ONE PIECE」を列挙。今敏や押井守に影響を受けたと語っている。(https://jp.ign.com/the-bad-guys/62971/interview/)

◆概要
【原作】
アーロン・ブレイビー「バッドガイズ」(世界で1600万部発行の人気児童書)
【監督】
短編アニメ「ビルビー」ピエール・ペリフェル(本作で長編映画監督デビュー)
【声の出演】
(字幕版)
「スリー・ビルボード」サム・ロックウェル
「オーシャンズ8」オークワフィナ
「デッドプール2」ザジー・ビーツ
(吹替版)
尾上松也、安田顕、河合郁人(A.B.C-Z)(本作で映画初吹替)、長田庄平(チョコレートプラネット)、ファーストサマーウイカ、甲斐田裕子、山口勝平、斉藤貴美子、高橋真麻
【公開】2022年10月7日
【上映時間】100分
【音楽】
『スパイダーマン:スパイダーバース』ダニエル・ペンバートン
【コスチュームデザイン】
『ベイビー・ドライバー』コートニー・ホフマン

◆ストーリー
天才的スリのウルフ、金庫破りのスネーク、変装の達人シャーク、肉体派のピラニア、天才ハッカーのタランチュラの5人による怪盗集団・バッドガイズ。これまで派手な盗みを次々と成功させてきた彼らは、伝説のお宝「黄金のイルカ」を狙うが、あと一歩のところで失敗してしまう。逮捕された5人は街の名士マーマレード教授の指導のもと、彼らを「グッドガイズ」に変える実験に参加させられることに。協力すると見せかけて裏をかき、史上最大の犯罪を企むバッドガイズだったが……。


◆以下ネタバレ


◆映像力
冒頭のレストラン→銀行強盗の長回しから、幾台ものパトカーに追われるカーチェイス。その緊迫感の中で始まるメンバー紹介がとてもクール。まずそこに引き込まれた。クリムゾン・パウの牢獄カンフーアクションに、“女子旅”でのバイクアクション。ラストにはモルモットの数えきれないほどの大群と、要所要所の映像の迫力はバッチリ。マーマレード教授の授賞式会場も煌びやかだったし、映像の美しさと迫力はピカイチだったと思う。

◆フォーエバー
“バッドガイズ・フォーエバー”のキーワードで繋がるウルフとスネーク、そして5人(匹?笑)の絆。“誕生日が嫌いな訳は、誰にも祝ってもらえず孤独を味わうから”。そのビジュアルが故に世間から疎まれながらも、良い事をすると“しっぽ”が反応する共通点を持つ5人だからこそ生まれる絆。アジトの壁に貼られた写真の数々も微笑ましかったし、スカイダイビングしながら繋がる5人の姿、エンドロールにも5人の写真が登場した事からも、彼らの絆こそが本作で製作陣が伝えたかったメッセージだと思った。

◆オマージュ
冒頭のレストランは「パルプフィクション」、授賞式の煌びやかな会場で作戦を遂行するのは「オーシャンズ」シリーズ、隕石が衝突するインパクトは「AKIRA」、モルモットの群勢が大挙する様は「もののけ姫」。署長がウルフに言った「お前を逮捕すると生きがいをなくす」的なセリフは「ルパン三世」の銭形そのもの。監督の“好き”を詰め込んだという本作。他にも沢山あったと思われる映画やアニメへのオマージュ、それらを発見する楽しみ方もできる一本でした。

◆関連作品
〇「パルプフィクション」('94)
言わずと知れたクエンティン・タランティーノの代表作。本作の冒頭は、この作品のオマージュ。プライムビデオレンタル可。
〇「ボス・ベイビー ファミリー・ミッション」('21)
本作同様、ユニバーサル・ピクチャーズ配給、ドリームワークス製作の前作。プライムビデオレンタル可。

◆評価(2022年10月7日現在)
Filmarks:★×3.7
Yahoo!映画:★×3.7
映画.com:★×3.4

引用元
https://eiga.com/movie/96758/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/バッドガイズ
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