はるち

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのはるちのレビュー・感想・評価

4.8
タイトルのEverything Everywhere All at Onceってどういう意味かなと不思議に思いながら観始めたが、タイトル通り、あらゆることがあらゆる場所で同時に起こっていた。
選択のたびに新しいユニバースが生まれ、人生の中で違う選択をした自分が別のあまたのユニバースに存在している。その中の自分に他の自分より秀でた箇所はあっても優劣はなく、あくまで自分である。そう考えると、あのときこうしていれば、あの道を選んでいればと思ってしまいがちな私でも、自分が今までの選択をした自分も肯定してあげられるような気がする。別の選択をした別のユニバースの自分に思いを馳せた。
そして、個人的に誰よりも印象に残ったのはEvelynの夫、Waymond。そのおおらかさと優しさが周囲の人々を和ませるところが、とても身近な人に似ていて、思わず涙した。優しさで世界が救えればいいのにな。
エンドロールで、監督・脚本がスイス・アーミー・マンのDanielsと知って、不意に出てくる下品な演出に納得。でも面白くてずっと笑える。とてもテンポがいいが、最後の方は画面がチカチカするというか忙しないので、苦手な人は注意。
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