とりこ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのとりこのレビュー・感想・評価

4.6
人間は1日で最大35,000回の決断をすると言われているが、そういった些細な決断から宇宙が無数に枝分かれしていく世界で、冴えない中年女性がマルチバースを横断する巨悪との闘いに巻き込まれていく物語。すべてを飲み込むベーグル、指がソーセージになってしまった人類、字幕で会話する石、リアル『レミーのおいしいレストラン』、カンフーで無双する中年女性…、久々にここまでとち狂った映画を観た。錯乱した精神状態を疑似体験しているかのように破茶滅茶な展開が続くが、その本質は”親子の確執と愛”で、テーマは至ってシンプルでミニマル。とっ散らかりまくったそのすべてを”母の愛”の力で強引に収束させていくクライマックスには説得力を感じたし好感、後味はとても良い。
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