なべ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのなべのレビュー・感想・評価

4.0
 なんと!ついに映画で老いを感じてしまった。いつか来るとは思っていたけど、エブエブだったかぁ〜。
 とにかくスピード感がすごくて、なんとか最後までついていけたけど、もう振り落とされないよう必死だった。カオス得意なんだけどな。観てる途中、何度も力んでるのに気づいて、肩に手をあてて力を抜いたほど。終わったときにはもうぐったり。なんていうか、表現としては吐きそうなくらい疲れた。それくらいの疾風怒濤。
 マーベルとは違うマルチバースのアイディアは、これもう絶対好きなやつなんだけど、好きになる暇が全然なくて。たぶんもう一回観ないと正しい評価はできないかな。おそらく今日、2歳くらい脳年齢が若返ったはず。でももうちょっと緩急つけてくれよ!
 観た人はわかると思うけど、崖の上の石二つのシーンあったでしょ。あそこで、ようやく体勢を立て直すことができた。ああ、この映画好きだとやっと実感できたのね。いや、それまでもそのタイミングはあったはずなんだけど、下手に好きって思いを出したら置いてかれそうで。
 いやあ、「スイス・アーミー・マン」が自分にとっての“初めて”がいっぱい詰まったヤバい映画だったので、期待はしてたんだけど、まさかこれほどとは。予想を遥かに上回ってきやがった。
 いつもの平成生まれの友人は、さすがにこのスピードに順応できてて、全編で涙を流しまくってたってんだから、まじ羨ましい。
 いや、言い訳じゃなく泣ける自信はあるよ。あるけど、もう一回観に行かないと無理だわ。あ、別に和解のシーンに感動とかじゃないよ。暴力的ともいえる圧倒的な奔流に身を任せて感動って意味。そもそも話自体はたいしたことないんだから。
 観終わって、やっと絞り出した感想が「めんどくさい話だな」って負け惜しみだったのがすっごく悔しい。老いたわ。
 負け惜しみついでに言うけど、ソーセージ〜2001年はいらん。悪ふざけが過ぎる。あれはこの作品の瑕疵だと思う。

 リベンジするから待ってろよ、エブエブ!2回目観たら更新します。
なべ

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