ぴよまろ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのぴよまろのレビュー・感想・評価

3.8
家族の葛藤を抱えるコインランドリー経営の主人公が、全宇宙の崩壊を食い止めるため、マルチバース世界の自分の力を借りて戦いを繰り広げる物語。

同じ監督の作品「スイス・アーミー・マン」よろしく、とてもいい意味で「見たことないものを見せてくれる作品」でした。マルチバース世界をカンフー+その他もろもろで戦う、主に国税庁の中で。という、言葉で書くとカオス過ぎますが、それをしっかりエンタメとして作品にしているのはさすがです。

アクションは言うまでもなく素晴らしいですし、メチャクチャなコメディパート(ソーセージ、アライグマ、トロフィー、ポメラニアン、などなど)も最高に笑えました。その上で、ちょっとした選択で人生はどんどん変わっていくという哲学的要素があり、最後には身近な家族の物語に着地していくという物語が、最高に面白かったです。

この世界のこの人物はなぜこの考え・行動なのか、という部分に説得力があるため、分岐していった世界にいるどのキャラクターも魅力的に写りました。とても複雑な(文字通りカオスな)設定をスムーズに語り、エンタメとして成り立たせていることが素晴らしかったです。

マルチバース、多様性、人生の選択といった、現代のキーワードが盛り込まれた、秀逸な作品でした。
ぴよまろ

ぴよまろ