なお

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのなおのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス…
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス…
ってなんか語呂が良くて無意味に呟きたくなるんですよね。
え?私だけ?

早くも今年最大級の期待作にして、2023年アカデミー賞にて数々の部門にノミネート、かつ受賞の最有力候補となっている話題作。

✏️chaos × multiverse
自分が「映画」の魅力に気づき、虜になってから早2年半。
その中で分かってきたことは、「何かの賞にノミネート(受賞)される映画が万人受けするメチャおもしろ映画ではない」ということですね。

話題性十分の本作だったけれど、期待値高めだったこともあってか残念ながら自分にはハマらず。

かつて007シリーズではボンドガールを務め、その後はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)にも参戦しキレキレのアクションを披露したミシェル・ヨー。

そんな彼女主演+マルチバースを駆け巡るという設定から、手に汗握るアクションてんこ盛り、A24らしからぬ超アクション大作!!!
…かとばかり予想していたのだけれど、蓋を開けてみればそんなことはなかった。
やはりA24作品。一筋縄ではいかない。

「てんこ盛り」ではなかったけれどA24作品としては珍しいアクションシーンはたしかに存在していて、特に序盤のウエストポーチを使ったアクションとかは本作におけるアイコニックなシーンとして記憶に残る。

しかし、黒いベーグルがうんたらとか、エヴリンのお父さんが敵になったあたりで物語がちょっとややこしくなる。
抽象的なセリフの量も増え、ある意味でのA24らしさ、よく考えて咀嚼しないと飲み込めない展開が続くため、「頭カラッポで楽しめる娯楽アクションだよ!」とは口が裂けても他人には言えない内容。

単純に、全体的なテンポが悪く感じた。
エヴリンがこのマルチバースを舞台にした戦いに身を投じる覚悟を決めるまでのストロークが長いし、その後の展開やアクションも興奮度60~70%くらいまでは到達するのだけれど、それが絶頂に達する瞬間がやってこないこの「寸止め感」はたいへん消化不良。

「マルチバース」という単語とその概念が、MCUなどの影響でそこそこの映画ファンなら割と一般的になった印象がある昨今。

そんな「マルチバース」を前面に押し出し、これまたA24らしくないポップな雰囲気を纏わせたティザー映像と、「アカデミー賞ノミネート作品」という看板を引っ提げた影響もあってか、自分が足を運んだ上映回には老若男女様々なお客で席が埋まっていた。

しかし、途中途中のシーンで首を傾げる者、エンドロールが流れる数十分も前に席を立ちその後二度と戻ってこない者、エンドロールで作品の内容を反芻するでもなく眠りに落ちる者…あ、これは自分ですが。
とにかくこの、「う~~~ん…」という鬱屈としたモヤモヤ感を抱えるのは自分だけではなかったようで。

好きなシーンはちょいちょいあるんですがね…
エヴリンと娘のジョイが「岩になって」文字だけで会話するシーンとか。シュールすぎ。

☑️まとめ
やはりA24と自分の相性はあまり良くないよう。
期待値が高かっただけに、その反動が評価に出てしまった。

余談だけれど、本作に何度か登場する「ギョロ目シール」。
あれがカワイイ。ドンキとかヴィレヴァンに行ったら売ってないかしら。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★☆☆
🏃‍♂️テンポ:★★☆☆☆

🎬2023年鑑賞数:31(10)
※カッコ内は劇場鑑賞数
なお

なお