Automne

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのAutomneのレビュー・感想・評価

4.1
のっけから某"忖度ムーブ"やアメリカンジョークの悪いところしか出てない感じ、製作陣とギャグ線が合わなすぎてめちゃくちゃ心配になったけど、ギミックの斬新さと後半に連れて増してゆくカオスさ、それとヒューマンドラマ要素で何か良くわからん感動の仕方をした。
人間の学習というのは、何かを学んだりすることで最終的に何もない状態の己を高める(経験をその人の内面のものにする)作業、みたいなのをちょうど学術系のYouTubeで言ってて、そのノリとマルチバース合わさったようなアイデアは新鮮。
ギミックの時空重なる要素とかは単に「訳分からんことをする」でカオスにしてたけど、『インターステラー』的な作り方もできたはずで、例えば靴を左右逆に履くことが他の世界線で天地がひっくり返るくらいの意味を持ってたり(禅の公案のひとつで、和尚が頭に靴を乗っけるみたいなお題があったけど、そういうような同じ物を媒介とする世界線とマルチにリンクしてゆくとかね)、みたいなところの論理的つながりが個人的には欲しかった。インターステラーでいうところの"本棚のノリ"で物語つないでいく的なね。でも脚本もっともっとロジック寄りにしてカオスにかまけずそうとう練らないと厳しそうとは思うけど。
でもテイスト的にこれはこれで良いのかなとも思います。
アメリカの映画なのに漢字でエンドロール出したり、現状ハリウッドで活動する日本人全員足しても人数普通に負けるよな、というくらいハリウッドイケイケどんどんのA24作品に多くの中国人が関わっているのをしみじみと感じて、時代の流れと日本人と違って強く逞しく向こうで生きるひとたちの片鱗を見た気がした。
結局は愛🫶と感謝🙏ということで良いのかも
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