Haruki

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのHarukiのレビュー・感想・評価

4.7
破産寸前のコインランドリーを経営する女性が、全宇宙を巻き込む闘いに身を投じていくアクションコメディエンターテイメント。

マルチバースを行き来し、キャラクターが幾度となく変化しながら展開していくバトルには、笑っちゃいながらも血が滾る。

ぶっ飛んだ設定とハイスピードなアクションに目が行きがちだが、実はすごく奥深くて上質な芸術作品。

母と娘、妻と夫、そして家族全体の関係にフォーカスしたストーリーは、意外にも心の機微が丁寧に描かれている。

あらゆる拒絶と後悔で今の人生が作られていて、とてつもなくバカなことをするとほかの世界の自分と繋がれる。
この設定でまず新しい自分に出会うというテーマ性を示す。

その上で今の人生に希望を見出していくというストーリーは見事。

そしてこの設定と物語を支えた技術と演技も素晴らしい。
撮影や編集といった技術面はもちろん、なんと言っても演技がすごい。

何十ものキャラクターを巧みに演じ分け、この映画を成立させて説得力を持たせているのは、素晴らしい演技の賜物。
ミシェル・ヨーやキー・ホイ・クァン、ステファニー・シュー、ジェイミー・リー・カーティス。

特にキー・ホイ・クァンとステファニー・シューは圧巻。
Haruki

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