バンバンビガロ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのバンバンビガロのレビュー・感想・評価

3.5
近年ヒーロー映画を中心にマルチバースという概念はもてはやされており何かと耳にするようになったのだが、可能性が無限に分岐している世界を描くということは、どんな世界も無制限に描くことが可能であるということで、イマジネーション次第でどれだけでも飛躍した世界を描くことができるが、そこで示される描写が平凡であれば作った人間の想像力の引き出しの少なさを露呈するということもある。
その点ではこの映画も手がソーセージだったり石になったりするくらいで世界の広がりを感じられるほどの特別な驚きはなく単純にミシェル・ヨーのバリエーションにしても女優、歌手、料理人では振れ幅に不足を感じる気はする。
とはいえ映画としては十分面白かったし、SF的なアイディアをうまく映画にまとめて家族を描いたところなんかは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なんかに近いフィーリングがあるかもしれない。
個人的に驚いたところはエンディングを歌うMitskiとデビット・バーン。日系アメリカ人シンガーであるMitskiと、「家」や「居場所」をテーマにした歌を作り続けてきたデビット・バーンの2人はこれ以上ないくらいこの映画にぴったりな人選で感心してしまった。
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