ぜる

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのぜるのレビュー・感想・評価

4.6
IMAXで鑑賞。

冴えない自分の人生に辟易としてるコインランドリー経営者の女性エヴリンが、あるきっかけから多元宇宙(マルチバース)を守るための戦いに身を投じていく話。

やはり最大の見所は突飛な行動をすることで他バースの自分から能力を引き出す「バースジャンプ」。
ある程度マニュアル化されていてどの行動を取ればどこに飛べるのかが分かるんだけど、エヴリンはバースジャンプへの適正が高すぎてマニュアル外の行動を取っても能力を引き出せてしまうのが面白かった。
「何者でもない」からこそ「何者にでもなれる」的な設定がアツい。

アクションも見応えがあって大変良い。特に『シャン・チー』でデス・ディーラーを演じたアンディ・リーが魅せる殺陣は相変わらず見事。
戦闘しながらもバースジャンプのために奇行に走り始めるの、本人たちは至って真面目なのもあって笑ってしまった。

全編通して語りたいことが明確で分かりやすかったと思う。
それを語る上でキー・ホイ・クァンがめちゃめちゃ良い役どころなんだよね…
「僕なりに戦ってる」のシーン大好き。

内容が本当にタイトルの通りで、まさに「Everything Everywhere All at Once」といった感じだった。
ニュアンス的には「Everything Everywhere Everytime」とかなんだろうけど、「Everytime」を「All at Once」と言い換えるセンスには脱帽。

ぶっ飛んでいてカオスに満ちていながらも、家族の温かみと愛を丁寧に描いた素晴らしい作品でした。
ぜる

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