Takato

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのTakatoのレビュー・感想・評価

4.3
アジア系移民2世の子の親離れ、親の子離れ問題を、アナルプラグでスーパーパワーを得てディルドヌンチャクで戦う何でもアリのマルチバースで語る。

アジア系移民2世の家族に対する価値観の衝突は『私ときどきレッサーパンダ』『クレイジーリッチ』『シャンチー』など最近よく見る。中華の儒教的なお父さんお母さん絶対主義は欧米の価値観で育った2世は特に反発が強くなる。親離れ、子離れは普遍的なテーマだけど特に移民2世は強く感じていると思う。だから語りが強くなる。

マルチバース「たられば」の行き着く先は虚無。相対主義を突き詰めるとニヒリズムに陥る(善も悪も主観であり相対的に見れば何も言えない)。さながら征服者カーン。「たられば」のニヒリズムに対抗する「イマココ」。目の前の人と人生を愛する。普遍的なテーマを特殊な設定で語る最高の映画でした!
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