ナミサン

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのナミサンのレビュー・感想・評価

3.7
すべてはカンフー。


結局のところマルチバースをまたにかけた親子喧嘩だったわけだけど、感情ゆさぶってくる仕掛けが散りばめられていて、なんかよくわからんけど涙していた。

主演のミシェル・ヨーは実は名前だけ知っているけど作品はあまり見たことない女優で、香港映画見てたら見かけるなぁくらいの方で、最近の記憶はシャンチーくらいしかないのだけど、シャンチーでは貫禄を感じたのに、今作では普通のおばさんだった(いい意味で)。
娘のジョイ役の子も共演シーンこそなかったもののシャンチーに脇役で出演していたようで。
さらに最初のスケジュールではオークワフィナも出演予定だったとか。惜しい。

夫役のキー・ホイ・クァンもこれまた子供の頃に見たグーニーズやインディ・ジョーンズの子役として覚えている程度だけど、wikiみたらこれまでは俳優としては失礼ながら大きな活躍をされてこなかったようだけど、この作品で跳ねたら中年中国人俳優として目立った活躍が出来るかもしれない。

そしてジェイミー・リー・カーティスもまた、恥ずかしながら「トゥルーライズの人」の印象しかないけど、いいおばちゃん役だったなあ。

マルチバースをテーマにした作品としては最近のマーベル作品よりマルチバースを描けている気がする。それにカンフー格闘要素が絡まって大変美味でした。

馬鹿げたことをするとマルチバースの別の自分とリンクしやすくなるという謎設定も笑えたけど、ケツの穴にトロフィーを入れて戦う例のシーンは、まあサイゼで三杯くらい飲んで行ったせいもあるかもしれんけど、ひさしぶりに劇場で声出して笑わせてもらった。

ほぼすべての登場人物がマルチバース人格に切り替わって主人公達と戦うけど、ジョイの彼女のベッキーだけは絡んでこなくて、そういう展開も期待していたけど、そうさせなかったのはジョイ(ジョブ)の意志なのかもしれない。

んで、こんなイカれた映画誰が作ったんやと確認したら、スイス・アーミー・マンのコンビとルッソ兄弟だったので納得した。

3/13追記
アカデミー賞作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞受賞おめでとうございます。
ナミサン

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