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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.6
【戴冠!アカデミー作品賞】
 第95回 (2022) アカデミー7部門受賞
 (助演男優・助演女優・脚本・編集・監督・主演女優)

【SF映画のススメ】
◆作品名:
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022)
◆SF映画のジャンル
現代SFコメディ
◆類似作品
・マトリックス
・オール・ユー・ニード・イズ・キル
・ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
・バタフライ・エフェクト
・シャンチー

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・経営するコインランドリーは破産寸前で、ボケているのに頑固な父親と、いつまでも反抗期が終わらない娘、優しいだけで頼りにならない夫に囲まれ、頭の痛い問題だらけのエヴリン。いっぱいっぱいの日々を送る彼女の前に、突如として「別のユニバースから来た」という夫のウェイモンドが現れ、「全ユニバースにカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と驚きの使命を背負わせる。
・そんな「別の宇宙の夫」に言われるがまま、ワケも分からずマルチバースに飛び込んだ彼女は、カンフーマスターばりの身体能力を手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じることになる…。

〈見処〉
①ようこそ、最先端のカオスへ—!
・『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は、2022年に製作されたSFコメディ映画。監督は奇想天外な設定で話題を呼んだ『スイス・アーミー・マン』のダニエルズ(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート)。
・カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を掛け合わせた異色のエンタテインメントとなった本作の出演は、エヴリン役に『グリーン・デスティニー』のミシェル・ヨー。80年代に子役スターとして人気を博したキー・ホイ・クァンが、夫のウェイモンドを演じて話題になった。悪役ディアドラ役は『トゥルー・ライズ』のジェイミー・リー・カーティスが務めた。
・第95回アカデミー賞では作品・監督・脚本・主演女優・助演男優ほか同年度最多の11部門のノミネートを受け、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、編集賞、監督賞、主演女優賞の受賞を果たしている。

②もう一つの新進スタジオ「AGBO」
・本作の配給は『ムーンライト』(2017)にてアカデミー作品賞も獲得した新進の映画スタジオ「A24」。本作は、同スタジオ最大のヒット作となった。
・また本作の製作は、「A24」とともに近年急速に存在感を発揮している映画プロダクション「AGBO」。
・同社は『アベンジャーズ/エンドゲーム』監督のアンソニーとジョーのルッソ兄弟らによって2017年に創設された新進気鋭プロダクション。
・「次世代のストーリーテリングを革新、進化させ、世界中の視聴者を楽しませ、感動させること」をミッションに掲げる同社は、チャドウィック・ボーズマン主演『21ブリッジ』(2020)、クリス・ヘムズワース主演『タイラー・レイク -命の奪還-』(2020)、トム・ホランド主演『チェリー』(2021)、クリス・エヴァンス主演『グレイマン』(2202)など、ルッソ兄弟がマーベル作品で構築してきた人脈をフルに活用した豪華キャスティングと、最新鋭のCGアクションを武器に良質なエンターテイメント作品を連発している。

③結び…本作の見処は?
◎:「脳で考えるのではない、身体で体感して見るべき作品!」…キャッチコピーとうり、最先端のカオス演出は、タランティーノやロバート・ロドリゲスが初登場したときのような、他に見たことのない、ぶっ飛んだ演出は必見!
◎: 本作が20年ぶりの映画作品出演ながら、ゴールデングローブ助演男優賞を獲得し、アカデミーノミネートを受けたキー・ホイ・クァン。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』『グーニーズ』の面影が残る彼がショービジネス最前線にカムバックされているのが嬉しい。
◯: 支離滅裂にありながら、エヴリンの過去の選択肢次第で彼女の人生が大きく変わる演出は分かりやすくユニーク。
▲: 上映時間140分。似たようなシーンが延々と続き、ひとつひとつの「章」も長い。終盤には、腕時計を何度もチラ見してしまうほど、興味と集中力は続かなかったのは自分だけだろうか?

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3/13追記
・本日開催された第95回アカデミー賞は、まさに「エブエブ旋風」。
・本作の作品賞戴冠は、正直どーかな?と思いつつ、キー・ホイ・クァンの助演男優賞を観客席から見守るスティーブン・スピルバークとケート・キャプショー夫妻。作品賞のプレゼンテーターのハリソン・リードと抱き合うクァン…。自分が映画に目覚めた『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』が40年の時を経て、ここに結実した場面、本当に至福の瞬間でした。
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