李

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスの李のレビュー・感想・評価

4.3
IMAXレーザー鑑賞🥯🪨👀
日本上陸をずっと待ってた映画!ようやく観れて本当に本当に嬉しい、、、

「マトリックスで始まり、マグノリアで終わるような映画を作りたかった」(監督コメント) なるほど…

映画館でこういう高揚感を得たのは久々です。この映画についていけるか序盤心配で仕方なかったけど、私は問題なかった。製作陣の発想とそれすべてを映像にした技量に終始驚きと感嘆が止まらないくらいぶっ飛んではいるものの(これだけの映画かと思ってた)、私の大好きな映画、Mr. Nobodyみたいで驚き。鼻すすりがあちこちから聞こえた。

この映画におけるマルチバースは、自分が選ばなかった選択肢から派生していく人生。あの時手を離していれば、今よりもずっと煌びやかな人生を送れたのに。多くの人に讃えられた人生もあったかもしれない。誰しもが考えたことのある「もしもあの時あの選択をしていたら」。これをもし認識できてしまったら。この映画で悪役となる存在が言う、この後悔の進化系「人生は無意味」。(①幾通りもの人生が同時に存在しているのならば、1つの人生の価値はその分限りなく小さくなるでは?②手にできなかったものは尚輝いて見えるもの、得られなかったものと今の自分を比較した時無力感に苛まれるのでは?)このニヒリズムは監督自身の闇堕ち経験とのこと。ただ、これも監督に限らず思い当たる人も多いはず。この、人生における身近な哲学への自分自身の共感とそれに対する優しい回答、あとは大切な人への愛で温かく包んでくれる。些細な選択、大きな選択、すべての選択を経て今の人生がある、今の人生で少しだけ優しくなってみる。既存のテーマかもしれないけど、そこに行き着くまでの寄り道が新鮮。映像が大好き。バースジャンプ理論も他の人生から武器を得るのもめちゃめちゃ楽しかった。おばちゃんが確定申告する面白い切り口の人生賛歌映画です。劇中マルチバースの中だと撮り方、空気感含め、ウォン・カーウァイの世界線が好みだった〜

A24の映画はやっぱり好みのものが多い。映像と音楽の世界観が確立された唯一無二な映画が好きだから、そこに合致するんだろうな。アカデミー賞おめでとうー!🙂💛授賞式の前に観たかったな、、
李