mayama

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのmayamaのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

アメリカさんはまだ自分とこが世界で一番、と思っていて、他の国、自分以外の他の人にもそれぞれ事情があるってことを今の今まで想像してこなかったんですかね…(って、えっ、今?今そこに思い至ったの?遅くない?って思いましたけど…)
それをとうとうちいさな壊れかけの移民の家族という、最小単位の視点から突きつけられた感…寓意ではあるけれど、それを語るのに『マルチバース』(多次元宇宙?でいいのかな)はとても分かりやすい概念でした。

マルチバースはパラレルワールドと同じような意味あいな気がするのですが、マルチバースは多分起点になる人から見て、様々な選択で分岐して別の未来を展開しつつ、それぞれの世界は繋がって影響し合っているという世界観?…と解釈したけど合ってますかね?
(まあそんなに大きな差異はなかろう)
そんな世界の間を行き来して、しかも別の世界において得た経験値をダウンロード出来るっていう…でもやり過ぎると一人の負荷が大き過ぎて精神が壊れちゃう。ってことでいいかな?

うんまあいいな、先に続けられないからな…

行き来するにあたって、めちゃくちゃ馬鹿馬鹿しいことをしなきゃいけないという制約があるのは分かった。 
でもやることが馬鹿馬鹿しいを通り越して健康被害大丈夫ですか?とか、下品過ぎるし生理的に無理!人としての尊厳が脅かされるぅ〜みたいなことが波状攻撃で起きるので持て余しちゃった…
なんでそこの男二人はどっちも後ろに何か入れようとするかな…しかも丸出し…痛そうだしやめなよ…。

ヨーの兄貴(姐御)、多数の世界の自分を演じるという物凄く大変な撮影、お疲れ様でした。
でもな〜撮影は大変だったと思うのですが、お話的にはこれアカデミー賞かなあ?な気持ちはちょっとある…兄貴ゴメン。

アメリカさんは今まで目を向けてこなかった、俺が俺がと主張するのではなく、他者の事情を思いやる気持ち、(何ならアチラのみなさんがお好きな愛という言葉に言い換えてもイイヨ〜)、それを岩同士の問答や各世界を跨いでのあれこれからの、自己の内面における対話からの悟りの境地みたいな知らない価値観を見せられてびっくりしちゃったのでは…ちょっとね、東洋の思想の在り方っぽいよね…

でもやや問答が稚拙というか、雑というか、浅いんだよなぁ…多民族寄せ集めの国で理解し合うってほんと大変そうだな~。
言わなくても分かるだろの範囲がたぶん物凄く狭い…何なら一から十まで説明してもどうにかなるかどうか。。

確かに世界の平和は個の平和や幸せが守られてこそだし、それはお互いへの恐れを乗り越えての対話やら何やらによる理解は不可欠ですけどね。

とはいえ、世界を救うだのなんだのはこのお話ではある意味些事かな…
あの日あの時あの場所で、別な選択を選んでいたら、いやいっそ今の自分とはかけ離れた自分が存在する世界だったなら…というのは誰もが人生の何処かで考えたりするでしょうが、どの国でも奥様方は、夫よりも人生の選択に対する鬱屈があるのかも…

あと、個人的に、アメリカでは家族を守るのはお父さん、というのが一般的な共通認識なのかなと常々思っていたのですが、この作品で初めて世界と家族を守るお母さんを見たかも。シングルマザーが子供守る話はあったと思うんですが、家族が揃っている中でお父さんではなくお母さんが主体で家族ひいては世界を守る話は珍しいのでは。ぱっと思い付くのサイレント・ヒルくらい…。

それにしてもキーくんの成長ぶりを見られて何よりです。
確かにこれはアカデミー助演ありかなぁ。
眼鏡取ると世界を跨げるアルファバースから来たカッコ良い彼になるという、眼鏡取ったら美少女の男女逆バージョン、良かったです。
頼りないけど、優しいお父さん… 

でも影薄い…w

…映画終わった途端に一緒に見た友が
『キーくん元気そうで良かったね、頼りないお父さん…』
加えて声がなんだか甲高かったね、という意見の一致をみました。
『昔『インディ!』って言ってたときと声が変わらんw』
いやアンタかつてTVでみたはずだからそれ声優さんだ…w

『ジャッキーそっくり過ぎるwww
もーずっとジャッキーにしか見えなかったわwww』

それな…www

…そこはあえて言わんとこ、ってことにしておいたのに!www


個人的には、おそらくこの映画は賛否両論でやや否が多いのでは…?な予想…。

米国のユーモアというかコメディってどうにも下ネタとバイオレンスから離れられないとこあるなーという印象でした。
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