mimune

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのmimuneのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

面白かったし、今の自分の感覚と同じことを伝えてくれてるなと感じた。
価値観の違う人でも、理解できない人でも、優しさをもって接すること。
世の中にはありとあらゆる分断が起きてて、また正しいと分かっててもなかなか変われない人達も沢山いる。
それが映画の中ではジョイの外見のことを言ったりレズであることを嫌に思うエブリンやゴンゴンで、現実世界では私の父のことでもある。
そんな世の中だからこそ、ウェイモンドのように優しさを持って誰にでも接することが本当に一番大事なことで、誰をも一寸で繋ぎ止められる唯一の能力なんだなと。
そして、この映画の良いところは、誰がどんなふうに見てどんな感想持ってもいいんだよって言ってくれるところでもあると思う。
例えば、一緒に見た私の友達は、ただひたすらにくだらない笑えるシーンがあって面白かったと言ってて、それも全然間違ってない感想で。
この世の中はnothing mattersで、だからどんな人がどんなことを思ってもいい。
その人が、みんなが自分と他者に対する優しささえ持っていれば。
石が語り合うシーンはとっても良かった。シュールな面白さもあるし、最後にはグーグルアイが付いて"ルールなんて何もない!"て叫んで、石なのに動いて相手に触れようとするの涙出た。

ただ、コメディ映画としてはRRRを先に見てたのもあってかそんなにウケれなかったのが自分で残念…私のツボではなかったのかな
肩車のシーンとかもめちゃくちゃ笑えるとこのはずなんやけど、RRRで先に見て大爆笑してしまってたので…
ミシェルヨーや他の役者さんをよく知ってたら笑えたのかも?あと下ネタも私のツボではなかった…
でもあんなくだらん笑いを映画に盛り込んだのは凄いと思った、アカデミー賞受賞作品にあんなシーンやあんなシーンが含まれてるのかと思うと…笑

あと、マルチバースの手がソーセージになるところがみんな笑ってたけど、私はちょっと気持ち悪いなとは思ってもまあそういうのが普通の世界もきっとあるよなーとなんか謎に冷静に見てしまった
他の人の感想を見て共感したけど、手がソーセージだから足でピアノを弾いたりするシーン、手が使えない障がい者の人には当たり前のことなんよなと
私はたまたま子供の頃に、レーナマリアという両腕のない歌手のドキュメンタリーを見たことがあったので、足で何かをすることには驚き?意外性?みたいなものを感じなかった
ので笑えなかったのもあるかも
でもバースジャンプをしてより強力な能力を使うには、より突飛で変な行動をしないといけないって設定は面白かった、think outside of box的な



以下、見終わってからちょこちょこ調べてて面白いなと思ったことメモ
ベーグルはbagel with everything on itという実際のベーグルの種類があることからダジャレ的に使われたもので、でも真ん中に穴が空いてる円環の形であることからブラックホールや終わりのない世界マルチバースを表してる
ベーグルは真ん中が白で外が黒、グーグルアイは真ん中が黒で外が白の円でできてて、それぞれ"無意味であること/破滅"と"意味を見出すこと/再生"という正反対のものを象徴している
かといって、ベーグルが悪でグーグルアイが善ということではなく、両方のバランスが大事であること(nothing mattersであることを悟った上で、それをどう自分で意味づけるか)

ジョイが色んな服装やメイクになるのが単純に見てて楽しかった、あとマーベラスミセスメイゼルに出てた役者さんだったのが嬉しかった

なぜ中華系キャストを主要にしたのかなと思ったけど、色んな人が共感できるようにと主人公含むキャストがアジア系であったことと、若い人達だけでなくみんな楽しめるように、また世代間の違いを描くためにミシェルヨーやキーホイクァンといった上の年齢の役者さん達を主要にしたらしい
あとアメリカでもウケるカンフーアクションを使えるからとか、マルチバースで色んな立場の色んな職業を演じることができる人を探してて当てはまったのがミシェルヨーだからとか

他にも何か見つけたらメモ足していく
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