マレーボネ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのマレーボネのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

エブリシングエブリウェアオールアットワンス、おもしろかった!

全編通して誰かが見た変な夢みたいな内容だった笑

ただ、タイタンの妖女、メッセージ、インターステラーのような名作同様、突飛で複雑な設定を用いて普遍的な強いメッセージを訴える映画だった。

はっきり言ってパート1は最近観た映画の中ではダントツでおもしろくない笑

カンフーアクションは気合入ってはいるけど、最初のウエストポーチバトル以降、思ったほど奥行きがないし、ストーリーも設定の説明ばかりで状況が全然変わらない。

特に「奇行→力を得て活躍(説明くさい実況付き)→ピンチ→奇行→別の力を得て逆転」を畳みかけるシーンは、ただただ思いついた下世話なギャグを連続で見せられてるようで本当に辛かった。

ギャグのノリがめちゃイケみたいなんだよな〜〜。 
フリとかシチュエーションとか関係なく、「ホラ?ぶっ飛んでるでしょ?笑え?」みたいな。

ただ、こんなふうに思っててもパート2以降はのめり込んで観て、自然と泣けてくるのがすごいところ。

物語がスペクタクルなものから一転して、母娘、家族や周囲の人々との関係に焦点が当たる。

これまで能力を拝借するためだけに出てきた突飛な物語たちが意味を持ち、それらを深掘りして、根底に共通してある普遍的な愛や家族のあり方をそれぞれ見つけていく。

この辺りは本当に構成の妙というか、3つ4つのサブラインが同時進行してたらそれこそわけ分からなくなりそうなのに、主人公たちの心の動きをしっかり追っていくことでそれぞれ深化させ、その全てに希望ある結末を用意しているのがとても見応えがあった。

最近は社会や世の中自体がイヤなことが多いので、過ぎ去った可能性や、あったかもしれない未来を夢想しては現実に戻って失望する、みたいなモチーフは共感性が高い。

ただそうは言っても、つらいときこそ周りに優しくしよう、投げやりになるのもたまにはいいけど、現実を見つめ直して自分自身を認めてあげるのもそんなに悪いものではないよ、と。

そういいうあたたかいメッセージに溢れた映画でとても良かった。

ギャグシーンはつまんないけどョ
マレーボネ

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