げげげんた

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのげげげんたのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

前評判が高かったので映画館で鑑賞。

ハチャメチャかつ笑える展開の中にもメッセージが散りばめられていたり、マルチバースでの行き来の仕方やシンクロの仕方が今までにない感じで、好みは別れるだろうけど個人的には面白かったです。

メディアではアジア系の監督・キャストの映画がアカデミー賞!という取り上げられ方が多かったけど、アジア生まれ育ちの自分としては逆にアメリカらしさ(ベーグルとか)や、アメリカで生きるアジア系移民の機微を感じた。少し前に旅行したときもあんなコインランドリーあったな…とか思い出したり。完全に発音や行動がアメリカ人な娘と、アジア系のアクセントがあり英語と母国語が混じってて、あと娘の体型とかジェンダー・セクシャリティに(理解はしようとしつつも)若干無神経さがある移民一世の親という、その辺りのギャップの描き方が上手だった。

なのでアメリカに住むアジア系の人が見るとより共感できる点がたくさんあるのかも。

-

マルチバースの世界を体験し、どんな出来事にも別の可能性がある中でエヴリンは現実を生きることを選択する。
ただ結局今が一番、家族が一番、問題が全て解決して大団円、にはなっていなくて。
結局娘には距離を置きたいと言われ(ゴンゴンに友達だと説明しても彼女だと説明しても結局うんざりなんだ?とは思ったが笑)、税金も払わないといけないし、現実は劇的には変わらないのだけど、選択によって少〜しだけ良い方向にLife goes onしていくという終わり方が個人的には良かった。

その他つらつらと…

・Be kind!を体現していたキー・ホイ・クァン演じるウェイモンド(パパ)がいい味を出してた。the典型的なアジアの老人である祖父には軟弱と思われていたけど、結局優しさや愛が大事だよね、という。当初、やだな〜と思っていた税務署の職員もパパに言いくるめられ(?)、エヴリンと抱擁までしてるのも頷ける。

・初っ端からアナルプラグの形のトロフィーが出てきてん??ってなったりディルドが出てきたりまあまあ下ネタで笑った。他にも笑える箇所がたくさんあったけど、あのジョイのヘンテコな衣装はなんだったんだろう?

・ところでマルチバースは(思考が飛びまくる、ADHD的な)主人公の妄想ということだったのかしら?また上の空になって…って言われてたし。
げげげんた

げげげんた